地域別訪日外客数（1〜2月累計）
このグラフは2025年1〜2月の地域別訪日外客数と前年同期比を表しています。東アジア地域が約506万人と圧倒的な数を誇り、全体の7割以上を占めています。次いで東南アジアが約84万5千人、北米が約48万1千人と続きます。成長率では中東地域が87.4%と最も高く、次いで豪州（34.6%）、北米（33.8%）と続いており、世界各地からバランスよく訪日客が増加していることがわかります。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
主要地域・国の訪日外客数前年同期成長率の比較（1〜2月累計）
このグラフは成長率の高い順に主要な地域と国を並べたものです。中東（87.4%）と中国（94.5%）が特に高い成長率を示しています。マレーシア（51.6%）やインドネシア（38.6%）も高い成長を見せており、これらは新興市場として今後のさらなる成長が期待されます。欧州や北欧も30%前後の安定した成長を続けており、多言語対応の必要性を示しています。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
地域別訪日外客数シェア（1〜2月累計）
このパイチャートは各地域が全体に占める割合を示しています。東アジア地域が71.8%と最も大きく、特に韓国、中国、台湾が主要市場となっています。東南アジアは12.0%、北米は6.8%を占めています。シェアは小さいものの、豪州（3.3%）や欧州（2.6%）からの訪日客は滞在期間が長く消費単価が高いという特徴があるため、ターゲット市場として重要です。北欧や中東は現状ではシェアが0.3%と小さいですが、成長率の高さを考えると今後注目すべき市場と言えるでしょう。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
地域別特性とインバウンド戦略
各地域の訪日外客には異なる特性があります。東アジアからの訪日客は短期滞在でショッピングや食事を楽しむ傾向がある一方、欧米豪からの訪日客は長期滞在で文化体験や地方の自然に関心が高い傾向があります。
多言語対応を進める際には、訪日客数の多い東アジア三国（韓国・中国・台湾）への対応が基本となりますが、成長率の高い東南アジアや中東、消費単価の高い欧米豪などもターゲットとして検討する価値があります。
特に地方の観光地や飲食店、宿泊施設においては、地域の特色あるコンテンツを多言語で発信することで、混雑する都市部から地方への観光客分散を促進する効果が期待できます。2025年のデータが示すように、インバウンド市場は多様化しており、それぞれの特性に合わせた戦略的な多言語対応が今後の競争力強化につながるでしょう。
訪日外客数急増！2025年1〜2月累計データ分析
2025年1〜2月の訪日外客数は全体で約704万人となり、前年同月比28.5%増と大幅な増加を記録しました。特に中国市場は94.5%増と急回復し、東アジア地域全体の伸びを牽引しています。
東南アジアではマレーシア（51.6%増）とインドネシア（38.6%増）が高い成長率を示し、中東地域も87.4%増と驚異的な伸びを記録しています。欧州ではスペイン（55.1%増）やロシア（72.4%増）からの訪日が大幅に増加しており、世界各地から日本への関心が高まっていることがわかります。
この訪日客数の増加を地域のビジネスチャンスに繋げるためには、多言語対応が不可欠です。飲食店やホテル、観光施設などのインバウンド関連事業者の皆様は、ウェブサイトやメニュー、案内表示の多言語化を早急に進めることをお勧めします。
特に成長率の高いマレーシアやインドネシア、中東市場は今後の大きなポテンシャルを秘めています。これらの市場に向けた多言語サイトやパンフレットの作成により、まだ競合の少ない新興市場を先取りするチャンスがあります。地方自治体や観光協会も、地域の特色ある観光資源を多言語で発信することで、外国人観光客の地方分散化につながるでしょう。
日本政府観光局（JNTO）のデータを活用し、それぞれの地域や業種に合わせたターゲット市場を定め、戦略的に多言語化を進めていくことが、増加するインバウンド需要を取り込む鍵となります。
東アジア地域からの訪日外客数分析 2025年1～２月累計
2025年1〜2月の東アジア地域からの訪日外客数は、全地域で増加傾向を示しています。韓国からの訪日客が約181万4千人と最も多く、東アジア地域の中で最大のシェアを占めています。次いで中国からの訪日客が約170万3千人、台湾が約110万1千人、香港が約43万9千人となっています。
特筆すべきは中国からの訪日客数の伸び率で、前年同期比94.5%増と大幅に増加しています。この急成長の背景には、春節休暇の時期と重なったことや、中国〜日本間の航空路線の増便などが影響していると考えられます。また、競合する観光先と比較して日本を選択する傾向が強まっていることも要因のひとつです。
韓国（8.3%増）、台湾（10.7%増）、香港（12.0%増）も着実な伸びを示しており、東アジア地域全体として堅調な回復が続いています。これらの市場は訪日リピーター率も高く、主要都市だけでなく地方への訪問意欲も高まっているため、地方の観光関連事業者にとっても重要なターゲット市場となっています。
東アジア地域は訪日外客全体の約7割を占める最大の市場であり、インバウンド戦略において最も重要な位置を占めています。各国・地域の特性や旅行目的の違いを理解し、それぞれに合わせた受入環境の整備や情報発信が求められています。
東南アジア地域からの訪日外客数分析 2025年1～２月累計
東南アジアからの訪日客は、タイが約21万4千人と最も多く、マレーシア（約14万人）、フィリピン（約13万9千人）、ベトナム（約12万4千人）が続いています。特にマレーシアからの訪日客数は前年同月比51.6%増と大きく伸びています。インドネシアも38.6%増と高い成長率を示しており、東南アジア全体で訪日需要が拡大していることがわかります。インドからの訪日客は約2万9千人と規模はまだ小さいですが、前年比28.9%増と成長しています。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
北米地域からの訪日外客数分析 2025年1～２月累計
北米地域では、米国からの訪日客が約37万4千人と圧倒的に多く、前年同月比で33.3%増加しています。カナダからも約8万7千人（前年比32.4%増）の訪日があり、メキシコからは約2万人（前年比38.7%増）と小規模ながら高い成長率を示しています。北米からの訪日客の特徴として、冬季のスキー需要や混雑を避けた時期の訪日傾向があります。また、滞在期間が長く、消費額も高い傾向にあります。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
欧州地域からの訪日外客数分析 2025年1～２月累計
欧州地域からの訪日客は、英国からの約5万8千人が最も多く、フランス（約4万3千人）、ドイツ（約3万1千人）が続いています。特にスペインからの訪日客は前年同月比で55.1%増と高い成長率を示しており、これは直行便の再開による影響と考えられます。ロシアからの訪日客も72.4%増と高い伸び率を示していますが、ウクライナ侵攻後の制裁の影響もあり、総数としては約1万人と小規模にとどまっています。欧州からの訪日客は平均滞在期間が長く、文化体験や地方訪問への関心が高いという特徴があります。
出典:JNTO訪日外客数2025年２月推定値
インバウンド市場の多様化に対応するために多言語発信を！
多言語対応をする際には、単なる翻訳だけでなく、各国の文化や嗜好に合わせたコンテンツ作りが重要です。例えば、東アジアからの観光客は買い物や日本食を楽しむ傾向がある一方、欧米豪からの観光客は文化体験や地方の自然を求める傾向があります。
特に注目すべきは、訪日リピーター層の増加です。初めて日本を訪れる観光客は東京や京都などの主要都市に集中しますが、2回目以降になると地方の隠れた魅力を求めて訪問先を広げていきます。地方の観光関連事業者の皆様は、この機会を活かすために多言語での情報発信が不可欠です。
また、ウィンタースポーツ需要の高まりに対応し、北海道や東北、長野などのスキーリゾートでは、豪州や北米からの長期滞在客を取り込むためのコンテンツ整備が求められています。これらの地域では英語対応の充実だけでなく、長期滞在の際の生活情報や交通アクセスなどの詳細情報を多言語で提供することが重要です。
中東地域からの訪日客は消費単価が高いという特徴があります。高級ホテルやレストラン、高級ブランド店などは、アラビア語対応のサービス提供を検討することで、この市場からの顧客獲得につながるでしょう。
各事業者様がターゲット市場を明確にし、戦略的な多言語対応を進めることで、インバウンド市場の多様化による恩恵を最大限に享受できます。JNTOの市場別データを定期的に確認し、変化するトレンドに敏感に対応していくことが、持続可能なインバウンドビジネスの鍵となるでしょう。
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